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アドボカシー委員会 ニュース 2004年6月10日

事故予防に関して、厚生労働大臣に本学会から申し入れ。2004年6月9日に坂口大臣と会見


子どもの事故予防のための要望書・坂口大臣との会見記     アドボカシー委員会・委員長 山中龍宏

 最近、子どもの事故が話題になっているが、事故は小児の健康問題として重要なものの一つである。今回、アドボカシー委員会において小児の事故予防にどう取り組んだらよいかについて検討し、厚労省に対する要望書を作成した。要望書の内容は、平成16年5月23日の本学会の役員会で検討し、学会として厚労大臣に要望書を提出することとなった。
 坂口厚労大臣の地元の小児科医で本学会の会員である藤後幸博先生に大臣との面会の機会を設定してくださるよう6月1日にお願いした。6月7日の夕方に藤後先生より連絡があり、何とか時間がとれるということで急遽、面会が実現することとなった。
 大臣との会見は平成16年6月9日午後1時から20分間であった。
藤本 保会長がハワイに出張中であったため、アドボカシー委員会委員長の山中龍宏、アドボカシー委員会委員の内海裕美、総務担当理事の横田俊一郎の3名で坂口厚労大臣と面会した。
 山中が要望書を出した背景を説明し、実現可能で具体的な要望として、事故サーベイランスシステムと事故予防の研究機関の設置が必要であることを説明した。大臣は、外国の具体的な機関について質問され、「重要な問題なので、検討して連絡します」という返事をいただいた。
 その後、午後3時から40分間、厚労省の記者クラブで、各新聞社(7−8社)の記者に要望書を提出した経緯を説明し、いろいろな質問を受けた。6月10日の各新聞に記事として掲載された。以下はそのうちの一つである。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20040610it07.htm ※リンクしていませんので、ご自身でご覧ください

               (平成16年6月11日、山中龍宏記)

■子どもの事故予防のための要望書
                         2004年6月9日
厚生労働大臣
坂口 力 殿

   子どもの事故予防のための要望書

 日本外来小児科学会は、子どもたちの健康、ならびに安全について真剣に取り組んでいます。
 以前より、子どもの不慮の事故は多発しており、1960年以降、1- 19歳の死因の第1位を占めています。最近話題になった子どもの事故死の例は氷山の一角であり、わが国において子どもの事故に対する予防対策が全く行われていない現状を憂え、以下の2点を早急に実施してくださるよう要望します。

 1. 比較的重症の事故事例が受診する医療機関を定点として、事故の詳細な情報を継続的に収集する事故サーベイランス事業を展開する。

 2. 事故予防学、あるいは安全学を専門に研究する事故予防研究所の設置、あるいは国立成育医療センターに事故予防の研究部門を設置する。

事故は重要な健康問題
 1960年以降、0歳をのぞいた1-19歳の小児の死因の第1位は不慮の事故となっている。今年も、来年も、10年後も子どもの死因の第1位は不慮の事故である。すなわち子どもの命にとって最大の敵は「病気」ではなく「事故」と認識する必要があり、事故は子どもにとって最も重要な健康問題となっている。
 豪州、欧米では、約20年前から「事故は人々の健康を障害するたいへん重要な健康問題」として取り組みが始まり、ばく大な費用を投じて事故の研究が行われている。わが国においては現在も、子どもの事故の予防については全くといってよいほど取り組まれていない。

事故予防への取り組み
 事故予防は、1) 重症度が高い事故、2) 発生頻度が高い事故、3) 増加している事故、4) 具体的な解決方法がある事故について優先的に取り組む必要がある。事故の情報を収集し、詳細に分析し、予防法の検討、予防活動の実践、その評価というステップを経ていくのが真の事故予防である。

事故サーベイランスの必要性
 子どもの生活環境に新しい製品が出回ると必ず新しい事故が発生する。また、1件事故が発生すると、必ず同じ事故が複数件発生する。これは子どもの事故の法則である。
 最近の六本木ヒルズの自動回転ドアによる事故死の例や、箱型ブランコでの事故死の例にみるように、重大な事故が起こる以前からそれらの装置や器具による事故は多発していた。
 豪州や欧米では、医療機関の救急室を定点とした事故サーベイランスシステムが稼働しており、年間に数万件の事故を収集し、分析を行って科学的な事故予防活動を展開している。わが国には、継続的な子どもの事故情報収集システムも解析するシステムも存在しない。

事故の研究施設の必要性
 子どもの健康障害のなかで大きな割合を占めている「事故」に対する研究機関が必要であり、研究者の養成も喫緊の課題である。利潤を生まない研究所を民間の組織が設置することはむずかしく、国民の健康に責任を持っている国が事故予防研究センター、あるいは研究部門を設立する責務があると考える。

                    日本外来小児科学会
                     会長  藤本 保


 


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