リサーチ委員会 〜旧調査研究方法検討委員会〜 委員会トップへ
   ホーム委員会リサーチ委員会調査研究方法検討会調査研究方法検討会 かわら版調査研究方法検討会 かわら版 第57回調査研究方法検討会かわら版

  委員会の概要

  リサーチ委員会開催案内
(委員のみ)

  所属検討会および
「子どもネット」
  調査研究方法検討会
  ワクチン研究検討会
  子どもネット
  事故予防検討会

  リサーチアイデアバンク
  リサーチなんでも相談

調査研究方法検討会 
かわら版

  質的研究方法検討会 

   


調査研究方法検討会 かわら版

■ 第57回調査研究方法検討かわら版■

 去る2013年,12月7日(土),8日(日):アクロス福岡(福岡)にて,第57回調査研究方法検討会が開催されました.今回,絹巻 宏氏のお世話にて,三品浩基先生による調査用質問紙の作成に関するレクチャーも開催されました.検討会の報告要旨は,各演者の方へお願いしております.ご発表いただいた研究の概要とともに検討会で議論された内容も含めご報告いたします.
 

 7日(土)
「1歳児の保護者を対象にした食物アレルギーの意識調査」 西村龍夫
 昨今,食物アレルギーの不安を訴える保護者が多い.そこで,プライマリ・ケアの医療機関で,MR1期の接種のために来院した母親を対象にアンケート調査を行い,食物アレルギー児の実態を調べ,食物制限を行っている割合や,母親が感じる不安感を定量化する調査を計画した.また,不安の強い母親ほどリスクを過大にとらえ予防接種や感冒などのcommon diseaseへの治療意欲が高いものと仮定し,それらの間に相関がないかも調査することにした.検討会ではアンケート調査の基本的な考え方や,各質問項目について有用なアドバイスを頂いた.また,調査目的が明確ではなく分かりにくいという意見もあった.アンケート内容を再度検討し,調査に進む予定である.
 
特別講演「調査用質問紙の作成のポイント」 三品浩基先生(1.京都大学大学院医学研究科社会健康医学系医療疫学,2.国立成育医療研究センター総合診療部)
 自己記入式質問票は観察研究および介入研究のあらゆるタイプの臨床研究で使用されています。対象者が主観的に表現する概念を測定するのに適した測定ツールです。質問票を作成する際は、過去の文献で使用されている質問項目を参考とし、できる限り妥当性の検証された尺度を活用することが勧められます。
 質問票作成の手順は、「測定する概念の明確化」、「質問票原案の作成」、「予備調査と修正」のステップに分類できます。測定概念を明確にする過程では、臨床上の意義や測定の実施可能性について、既存の文献を参照しながら時間をかけて検討することが大切です。ときに対象者に似た属性の人たちへのインタビュー調査も有用です。質問票の原案作成で質問項目を作成する際は、wordingと適切な回答形式についての基礎知識が必要となります。本調査実施前に質問票調査の実施経験のある研究者や疫学研究者を対象にプレテストを行い、客観的な視点から専門的アドバイスを得ておきます。修正後さらに少数の調査対象者にパイロットテストを実施し、対象者の回答しやすさに配慮した修正を追加します。
 系統的な質問票の作成手順を踏むことは、測定の誤差(バイアス)を最小にするプロセスに他なりません。質問票の作成スキルは日常診療における問診の改善にも役立つものかもしれません。
 
「乳児の眼脂に対する母乳点眼の有効性の検証:研究デザインの修正報告」杉村 徹
 乳児の眼脂に対する母乳点眼の効果を検証するため,研究計画中です.第54回調査研究方法検討会2012年12月8日(土)熊本にて報告後,リサーチ委員会の承認を得て,倫理委員会へ審査を申請中です.今回,倫理委員会からのご意見を参考に研究デザインの修正を行いました.当初の計画では,眼脂を主訴として来院した6ヶ月未満の乳児を対象として,母乳点眼群とコントロール群(生理的食塩水点眼)へ分類し比較する予定でした.コントロール群への治療を,既に医薬品として結膜炎の治療に使用されているAZ点眼液へ変更し,非劣性比較試験を行います.今回の検討会で討議いただき,有害事象の項目を追加することとしました.倫理委員会の再審査の承認を得て,今後研究を進めて行く予定です.


 8日(日)
「禁煙支援WSの評価について」 牟田広実
 我々が継続的におこなっている小児科での禁煙支援に関するWSの評価を、模擬患者参加型実習の模擬患者を医療者が演じるときと、非医療者ではあるが元喫煙者で現在はインターネット禁煙マラソン上で禁煙支援をおこなっている方々が演じるときを比較する目的で、本調査を計画した。その評価はWS委員会が実施しているアンケートを用い、特にWSの達成度、満足度、楽しめたか、意識(行動変化)があったかの項目を取り上げた。
議論の中で、方法論自体は問題ないことが確認された。改善点として、統計は当初Mann-Whitney U検定を用いる予定であったが、t検定でも構わないとのこと、また5段階評価ではどうしても3に固まる傾向があるので、4や5と回答した割合を比較する方法も検討することとした。また、現在は例数が少ないため困難であるが将来的には職種ごとの解析や、オリジナルなアンケートを作成しての解析が勧められた。
 
「予防接種の接種方法に関する意識・実態調査」 牟田広実
 日本外来小児科学会の医師会員を対象に2013年10月に実施した予防接種の接種方法に関する意識・実態調査の概略の結果を発表し、今後の解析項目や解析方法について議論した。まず未回答や複数回答の扱いについては、有効回答数を提示し、それらは除外して解析することとした。接種方法については、主勤務先が診療所の医師と病院医師の比較や、平均接種人数が少ない医師と多い医師の比較を行うこととした。また回答率が44.3%と低かったため、全会員と回答者の間に年齢・主勤務先の分布に差がないかを比較することとした。今後も継続的に調査を行うため、次回調査時には質問紙の文言の見直しも行うこととした。また地域の医師会や他学会(日本プライマリ・ケア連合学会)の医師に対し同じ調査票を用いた調査を行い比較する案も検討された。
 
「MRI期の接種時に同時接種をすすめると,どのくらいその他のワクチン接種率が向上するか?」 牟田広実
 本研究の目的は、MR1期の接種時点で標準的な接種期間もしくは接種間隔(以下、推奨時期)となっている未接種ワクチンのその後の接種状況を調査すること。対象は、2011年4月1日から2012年3月31日の間に福岡県飯塚市にて出生した児のうち、MR1期の接種歴があり、かつその接種後8週間以上追跡できた児。これらの児のMR1期の接種8週間後までの三種混合または四種混合ワクチン(以下、DPT)、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン(PCV)の接種状況を調査中である。2013年7月末時点での対象児834名の解析結果を報告した。議論の中で、目的とタイトルの整合性がないので、「MRワクチン1期の接種時点での未接種ワクチンのその後の接種状況」と修正することとした。また、推奨時期となっている他のワクチンをどのくらい同時接種しているかに興味があるとの意見を伺った。解析する際の問題としてヒブワクチンの推奨時期変更が障害となると考えていたが、MR1期接種日の時点での推奨時期で解析することとした。
 
「簡易版就学前幼児(4‐6歳)用発達障害チェック・リスト:一般小児科外来での有用性の検討」 宮崎雅仁
 発達障害の有病率は高く、プライマリケア医が対応する機会も稀ではない。我々はプライマリケアに活用出来る就学前幼児(4‐6歳)を対象とした簡易版発達障害チェック・リストを作成し(小児の精神と神経2013(4)掲載予定) 、実際に5歳児健診に導入してその有効性を証明した。今回、小児プライマリケアにおける有用性の研究を進めるにあたり、その研究デザインおよび研究内容の倫理的問題点等を検討した。方法論に関しては、対象数の設定等に関して本格的研究の前に先験的検討が必要との意見を認めた。また、倫理的問題に関しては研究内容からは特に問題点は認めないが倫理委員会への諮問がより好ましいとの意見があった。
 
「母乳栄養,人工哺育によるワクチン接種後発熱の違い」 日野利治
 生後2ヶ月から行われる肺炎球菌ワクチンは、ヒブワクチン、ロタウイルスワクチンと同時接種が行われることが多く、接種後の発熱の頻度は高く、生まれて初めての発熱が、ワクチン接種後発熱と言うことも多くなった。この時、人工哺育の児の発熱頻度が高いのではないかと考え、哺育法の違いによるワクチン接種後発熱の調査を検討した。2013年9月から11月までの当院の72例の予備調査では、接種後発熱は母乳哺育群52例中11例(18%)混合哺育群12例中0例(0%)人工哺育群8例中3例(38%)であった。先行文献の検討では、イタリアでの調査はで、7価肺炎球菌と6種混合ワクチンの同時接種後発熱の相対リスクが、人工哺育に比し、母乳哺育では低いとの報告があった。ディスカッションより、日本においても、調査をしても良いという意見を得た。調査を単純化する方が良く、対象は1回目のみとし、3日間連続自宅検温は必要との意見を得た。
 
「調査研究方法検討会演題提出時のチェックリスト」 中村 豊
 調査研究方法検討会への演題提出は、従来演題のみで抄録などは求めていなかった。演題を出す上でハードルを低くすることにより多くの演題が集まることが期待できる反面、研究の進捗状況や演者が希望する検討項目が不明のために、必要な討論や提言ができないまま時間切れとなることもあった。このような事態を回避するために演題提出時に現在の進捗状況や希望検討項目を提示するチェックリストを作成した。ネットを利用して簡単に送付できることが望ましいとの結論となり、webを利用して作成することとなった。次回検討会より使用を考えたい。


連絡先:〒833-0027 福岡県筑後市水田991-2杉村こどもクリニック 杉村 徹
FAX: 0942-52-6777 , メールはこちらへ 
2014.01.29
ページの上部へ▲

関連ページ
調査研究方法検討会のページへ
リサーチ委員会トップページへ
会合開催予定日一覧へ
委員会トップページへ
< 前のページへ戻る