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■ 第59回調査研究方法検討かわら版■

 去る2014年,7月12日(土),13日(日):ステーションコンファレンス東京にて,第59回調査研究方法検討会が開催されました.場所の設定・準備について宮田章子氏,加地はるみ氏のお世話になりました.今回,松尾富士男氏(スタットコム株式会社 統計解析部)による特別講演「科学的な臨床研究論文の書き方に関する考察:メンタルモデルと統計的側面」と題したレクチャーが開催されました.検討会の報告要旨は,各演者の方へお願いしております.ご発表いただいた研究の概要とともに検討会で議論された内容も含めご報告いたします.

 12日(土)
「2014-15シーズンにおける小児RSウイルス感染症の臨床経過調査」 齋藤玲子,日比野亮信
 【概要】小児RSウイルス感染症の外来症例について、ウイルス量と臨床経過についての関係性をウイルス型や遺伝子型を加味しながら検討する調査を計画し、症例収集の御協力についてお願いした。
 【討論内容】今シーズンは地域を大きく5つのエリア(北海道、東北、関東、関西、九州)に分割し、それぞれのエリア代表の先生方に症例収集の御協力をいただけることとなった。本研究では、収集する症例数や時期についての基準を統一することを重視した。また、臨床経過および臨床検体採取方法について、曖昧となる可能性がある項目を先生方に指摘していただけたことで、基準設定が必要な箇所が明らかとなった。今後はプロトコール作りを進め、ご協力いただける先生方と協議しながら10月中旬をめどに研究開始に向けての準備を進めていく予定である。
 
「保育園欠席サーベランスの有効活用(地域差に関する検証)」 沼口俊介
 保育園欠席サーベランスは感染症対策としては「記録」「連携」「早期探知」にて有効利用が可能である定点観測の有効な手段である。そこで東京都練馬区にある60公立保育園(園児数6412名)で20地区に分類されたものを対象に平成25年4月1日から平成26年3月31日の期間における各地域差をどのように証明出来るか検討した。検討された事項は比較するにあたり1)標準化欠席率の定義 2)年齢調整 3)GPSを導入したMapの作成 4)グラフでの表示法について示唆頂き、今後の課題として地域差の証明に挑むこととなった。
 
特別講演「科学的な臨床研究論文の書き方に関する考察:メンタルモデルと統計的側面」 スタットコム株式会社・統計解析部 松尾富士男
 科学的な臨床研究論文投稿時のリジェクトを避けるための対策として,2つのトピックを紹介しました。すなわち,報告に必要な最低限の情報の不備を避けるためのチェックリストである「STROBE声明(2007)」と,論理的な文章構成不備に対する「パラグラフ・ライティング」の技術の導入です。
[演題:科学的な臨床研究論文の書き方に関する考察:メンタルモデルと統計的側面]
研究テーマについて,検討会において比較する群と結果変数の両方の水準にそれぞれ順位がある場合の解析法として,ノンパラメトリック検定法の一つであるヨンキーの傾向検定(英名:Jonckheere-Terpstra検定」を提案しました。この検定法は,SASなど高価な統計解析ソフトウェアで利用可能ですが,無料で使用できるR(アール)でも利用可能です。


 13日(日)
「小児科医が関わる難聴スクリーニング -ティンパノメトリーを使用して-」 天野出月,村上綾子
 新生児聴覚スクリーニングや3歳児健診における難聴スクリーニングの取組強化により現在多くの難聴を発見できるようになっている。しかし3歳から就学前までの3年間は公的に耳鼻科医が健診を行う期間がなく、地域によって差がある。言語獲得には大きな影響を与えないが、この時期に好発する滲出性中耳炎などによる中―高度難聴はコミュニケーション障害を誘発するため発見の意義は大きい。小児科医が内科健診の中で効果的な役割を果たせるか、ティンパノメトリーを使用して検討を行いたいと考えた。
 今回プレリミナリーデータとして2012,2014に幼稚園内科健診を受診した5歳時246名を対象にティンパノメトリーを実施した際のデータ(各型の割合、事前に実施した問診との関連)を供覧いただき今後のスタディデザイン構築に向けてのコメントをいただいた。
【検討内容】ティンパノメトリーは中耳炎を中心とした、この年齢の好発疾患を簡便に発見できる一方で、感音性難聴をスクリーニングすることはできない。難聴スクリーニングとするならば簡易聴力検査の追加や比較検討を行う必要性がある。研究のアウトカムとして発見することのできた各疾患の割合だけでなく、治療内容、聴力改善具合、QOLの改善といった具体的な成果も併せてデザインする必要がある。
 
「小児科外来における臍ヘルニアの治療方針に関する実態調査」 長田伸夫,鈴江純史,橋本裕美,富本尚子
 昨年実施した臍ヘルニア治療の実態調査の結果を報告した。
アンケート調査の回収率は、34.8%であった。臍圧迫療法を行う施設は48%、行わない施設は52%であった。圧迫療法を行う際の圧迫材は、綿球がカバー材はテガダームが多かった。圧迫開始は生後2か月以内が88.9%であった。治療効果(経験的判断による50%以上の治癒率)は圧迫開始2か月以内が66.3%であった。皮膚炎が多いとするのは、16.6%であった。圧迫時の皮膚寄せは、55.8%で行われていた。毎回医師が指導する施設は36%であった。満足度は、非常によい(38.3%)、やや良い(48.9%)であった。満足度に関する因子の統計的分析方法に関して討論した。
 
「おたふくかぜ(ムンプス)ワクチンの年齢別実施状況調査」 日本外来小児科学会 予防接種委員会 永井崇雄
 三重県で行われた先行調査の成績から、おたふくかぜ(ムンプス)ワクチンを早期に接種すれば髄膜炎の発生が少ないことが予想された。現在、市販のワクチンの髄膜炎発生数は毎年、国の副反応報告に上がっていて、その発症者の接種時年齢もわかる。市販のワクチンの実際の接種時年齢が分かれば、それを元に髄膜炎発生のリスクが推定でき、年齢別の解析も可能である。その結果、ワクチン接種の対象を低年齢に限定すれば、限定しない場合に比べ髄膜炎発症が減らせるのかがオッズ比として推計できる。接種時年齢は、問診票などの記録を確認すれば調査が可
能。後方視的な症例対照研究なら実施ができると考えた。症例は髄膜炎発症者、対照は髄膜炎非発症者、暴露は接種時年齢になる。
 しかしながら当日の議論で、デザインに問題があることが露見した。国の報告にあがってくるのは昨年の全体の数値。一方で、調査ができる症例数は参加した施設の接種数。そのため調査した接種数から国の報告数を引いて対照にするのは、妥当でないと結論した。
 


連絡先:〒833-0027 福岡県筑後市水田991-2杉村こどもクリニック 杉村 徹
FAX: 0942-52-6777 , メールはこちらへ 
2014.09.18
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