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■ 第61回調査研究方法検討かわら版■

 去る2015年,3月28日(土),29日(日):神戸ポートピアホテル(神戸)にて,第61回調査研究方法検討会が開催されました.場所の設定・準備について中村豊氏のお世話になりました.今回,三品浩基先生(神戸常盤大学 保健科学部医療検査学科 公衆衛生学准教授)による特別講演「子どもの検診・健診データを用いた臨床研究」が開催されました.検討会の報告要旨は,各演者の方へお願いしております.ご発表いただいた研究の概要とともに検討会で議論された内容も含めご報告いたします.

 28日(土)

「小学生を対象とした早時就寝指導による生活習慣病の改善に関する研究」 尾崎貴視

 三豊・観音寺地区における睡眠時間確保の啓発介入につき相談を行った。この会には福岡秀興先生もオブザーバーとして参加くださった。
 この啓発の目的は“小学生を対象とした睡眠時間確保指導による生活習慣、人間関係、集中力の向上を図る。”こととしている。ただし、今後、更なる検討により修正する可能性がある。検討会において、指摘されたことは以下の通り。
 @啓発介入においては倫理委員会を通す必要がある。A実際に地域の子たちに対して実施する以上、中途半端な結果にならないように。B観音寺小学校の4年生のみで行うとすれば、前後比較試験を行うにしても十分な結果を出すことが出来ない。一方、睡眠のみならず肥満に関しても、地域の小学生に対して健康指導を行い、それを評価することは必要なことである。そこで、コントロールとして肥満介入の小学校を設定する。C肥満介入校を、学校関係者と協議して決定し、早期にプロトコールを作成する。D外来小児科学会の調査方法検討委員会へプロトコールを提出し、倫理委員会へそれらをかける。
 その後、この度、特別講演をされた三品浩基先生やオブザーバーの先生方よりアドバイスを頂き、B、Cにある肥満介入に関してはこの度行わず、睡眠介入のみとした。睡眠介入による前後比較試験が中心となる。
 今後、速やかに対象となる小学校、教育委員会、医師会の了承を得て、倫理委員会への提示へと進む予定。

 
特別講演
 子どもの検診・健診データを用いた臨床研究」
 神戸常盤大学 保健科学部医療検査学科 公衆衛生学准教授 三品浩基先生
 本邦で実施されている子どもの集団健診(乳幼児健診および学校健診)で実施可能な臨床研究について説明させていただきました。健診の場であらゆるデザインの臨床研究が実施可能ですが、横断研究、症例対照研究、コホート研究などの観察研究が実施しやすいと考えます。研究計画の際はリサーチクエスチョンに適した研究デザインを選択することが大切です。また、倫理的配慮が厳しく求められる時代となり、研究の実施は研究デザインの種類を問わず倫理審査委員会の承認を得ることが前提となりつつあります。最近制定された「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(厚生労働省・文部科学省)」はオンラインで全文の閲覧が可能であり、ぜひ内容をご確認いただきたいと思います。
 
「禁煙支援状況調査」 野田 隆 
 第25回外来小児科学会年次集会で禁煙支援のシンポジウムを開催するに当たり、外来小児科学会会員の医療施設でどのような禁煙支援が行われているかの実態を調べて、シンポジウムの基礎データとする。併せて支援を行っていない施設の意識調査を行いタバコ問題検討会の活動目標を模索する目的で本研究を企画した。
 禁煙支援はチーム医療であるから、ドクターのみでなくコメディカルもアンケートの対象とした。
 第61回調査会では、アンケートに答えない自由もあることを明記すること、アンケートの入り口を別にすることなどの提案があった。
 
「低出生体重児の小児肥満問題に対する後方視的検討の課題」 沼口俊介
 増加する低出生体重児問題が様々な角度から検証されている中、エピジェネティクスの概念もあり、また先行研究であるRaine研究から示唆されている肥満問題の課題に焦点を合わせ地域で可能な検証方法についての課題を報告した。
 調査実現に向けては自治体の協力も必要なことから準備を行い再度検証可能な研究方法について報告する予定である。
 
29日(日)
「突発性発疹症発熱期における白血球数の検討」 井上佳也
 発熱初期に突発性発疹(ES)予測の確率を高めることは、疾患鑑別や不機嫌による再診抑制をする上で有用であると思われる。私は、第60回調査研究方法検討会において、「毛細管採血からみた突発性発疹、白血球数減少から予測は可能か」というテーマを提出しいくつかの指摘をうけた。その際の課題に対応するため今回は当院で採血を行った小児を網羅的に検討した。
 対象は、2013年1〜3病日に毛細管採血(日本光電全自動血球計数器 MEK-6500セルタックα)を行った0〜24ヶ月の小児。後方視的に、疾患を、ES、不明、感冒症候群、クループ、細気管支炎・気管支炎、RSV感染症、アデノウイルス感染症、ウイルス性胃腸炎、細菌感染症等に分類し検討した。
 対象440例のうち117例(27%)がESで、疾患別にはESの白血球数が最も低かった(6300±2200/
mm3)。白血球数別にヒストグラムを書くと白血球数が低い群ほどESの比率は高くなり、ESは白血球数5000〜6000/mm3を単峰とする左右対称性の分布を示した。
 検討会当日は、倫理面については大きな指摘はなく、データのまとめ方、提示の仕方、解析方法などについてアドバイスをうけた。観察研究としてまとめていく予定である。
 
「経鼻式噴霧生インフルエンザワクチン(フルミスト)のインフルエンザ予防効果に関する検討
−不活化ワクチンとのケースコントロールスタディ−」 幸道直樹
 当院ではインフルエンザワクチンについてはHAワクチンと輸入ワクチンのフルミストを併用しており、フルミストの予防効果を検証する目的で、当院で投与された人に対して、事後アンケートを計画したが、フルミストは未承認薬であるために、任意ワクチンであっても通常の医療行為とは認めがたく臨床研究においては投与の段階から倫理委員会の審査が必要とのことで、本研究は却下となった。
 なおフルミストはモンゼンコーポレーションを代理店として個人輸入をしているが、昨年度(2014年)の輸入実績は約10000本で、2013年は約5000本、2012年は2500本、2011年は700本と年々倍増している状況であるとの事であった。
 
「小児期慢性機能性便秘の治療経過,-直腸径評価を中心に-」 冨本和彦
【背景】小児期慢性便秘の病態は、腸管通過速度により通過遅延型と機能的便貯留型に分けられ、一部に排便協調障害によるものもある。機能的便貯留型便秘では、腸管通過速度は正常で直腸内の貯留便を除去し、直腸を空虚に維持する治療がなされ長期間にわたっても治癒が期待できる。一方、通過遅延型便秘では長期間の内科的治療を行っても通過速度の改善は認められず、治癒を期待するよりQOLを維持することに治療の主眼が向けられる。
 当院で治療中の慢性機能性便秘75例について、治療経過中に腹部超音波を頻回に行い、巨大結腸(1歳以上で直腸径が38.2mm以上のもの:以下MRと略)の有無により治療を検討した。治療終了群(n=11)中10例はMRを認めず、MR(+)のものも最大直腸径が40mmとなっただけであった。治療継続群(n=60)中19例はMR(-)、41例はMR(+)であった。フォローを失ったものは4例であった。
現在の治療経過から以下の点が研究テーマと考えられた。
@治療終了の条件を探る
 治療終了条件の仮説を1)積極的な治療で直腸径< 38.2mm を維持している、2)排便トレーニングが確立していることとしたが、治療終了群と継続群の比較から、多変量解析を用いて従属変数を年齢、性別、1ヶ月間の排便回数/便性状、巨大結腸の有無、排便トレーニングの達成度として解析する。
A有効な排便トレーニング方法を探る。
B直腸径を増大させないコントロール目標を探る。
C通過遅延型便秘の診断において、RIシンチグラフィー施行の倫理的問題点とコストの問題があり、通過遅延型と診断された後の治療方針が決定されていない問題があった。
【討議】@直腸径と便秘のコントロール目標について直腸径の変化量より変化率で見た方が有意な結果に結びつきやすいのでは。A腸管通過速度を測るだけであれば、活性炭を内服させて全腸管通過時間を測定する方法もある。の示唆をいただいた。
 
「2か月からのワクチンデビュー.-早期接種予測因子の検討-」 門井伸暁
 乳児ワクチンは細菌性髄膜炎の好発月齢前に接種を完了して免疫を獲得することによって、最大限の予防効果が発揮できるとされているので、「2か月からのワクチンデビュー」、「2か月になったらすぐに受けましょう」というアピールは重要である。しかしながら、乳児ワクチン接種の現場では「ワクチンデビューは2か月の誕生日から」を守って早期に接種に来られる方がいる一方で、ゆっくりと接種に来られる方も少なからずおられるのが実情である。そこで、乳児ワクチンを早期に受けに来る方とゆっくりと来られる方の臨床的背景を比較して、早期接種を推進するためには何が必要かを明らかにすることを目的と研究方法について検討をお願いした。
 前回の検討会では、2群間比較にバイアスがかかっていて修正するようにアドバイスをいただいた。今回は、アウトカムを初回接種日齢、予測変数を性別、在胎週数、出生体重、出生順位、出生施設、初回接種ワクチン種類、保護者へのアンケート調査結果(2か月からのワクチン接種をどこで知りましたか?)とした研究方法に修正してご検討をいただいた。特に、研究方法としての問題はなさそうだったので、研究を進めることにした。
 
連絡先:〒833-0027 福岡県筑後市水田991-2杉村こどもクリニック 杉村 徹
FAX: 0942-52-6777 , E-mail: sugimura@kurume.ktarn.or.jp
2015.06.01
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