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■ 第62回調査研究方法検討かわら版■

 去る2015年,7月18日(土),19日(日):かでる2・7北海道立道民活動センター(札幌)にて,第62回調査研究方法検討会が開催されました.場所の設定・準備について鎌田誠氏,長田伸夫氏のお世話になりました.今回,三品浩基先生(京都大学大学院医学研究科社会健康医学系医療疫学 非常勤講師)による特別講演「横断研究とコホート研究 −理論と実践−」が開催されました.検討会の報告要旨は,各演者の方へお願いしております.ご発表いただいた研究の概要とともに検討会で議論された内容も含めご報告いたします.

 18日(土)
「ロタウイルスワクチンを上手に飲ませるためには」 牟田広実
 ロタウイルスワクチンを上手に飲んでもらうための条件は何かを探るため、飲めた児と飲めなかった児ではどのような因子(児の特性、接種方法)に差があるかを調べる研究アイデアを披露した。討議の中で、思った以上に接種方法がバラバラであったため、まずは会員向けに接種方法についての実態調査を行うのはどうかという結論が得られた。今後、調査票の作成を行い、役員会の承認などを経て実施予定である。
 
「2015-16年シーズンのRSウイルス分子疫学調査」 日比野亮信
 2015-16年シーズンのRS分子疫学調査について説明し、検体・症例データ採取へのご協力をお願いした。2014-15年シーズンでの調査結果を踏まえて、@次シーズンに流行するRSウイルスの遺伝的特徴、地域での流行状況差について、ARSウイルス感染症の自然経過とウイルス排泄量の関係性、B迅速診断キットの感度・特異度についての3点について調査を進める予定である。調査地域は、2014-15年シーズンと同様、北海道、青森県、東京都、滋賀県、熊本県の先生方へお願いしたい。後に新潟大学から先生方へ改めて連絡をいれる。症例の選び方や患者情報を記録する用紙に、先生方からのアドバイスで改善必要な個所があった。今回の調査研究方法検討委員会での討議をもとに、新潟大学側でも再討議し、調査のための準備を進めていく。
 
特別講演
横断研究とコホート研究 −理論と実践−」 三品浩基先生 
 臨床研究デザインの理論は理解できても適切に実践することは意外と難しいことではないかと思います。横断研究とコホート研究を実践するポイントについて具体例を挙げながら解説させていただきました。対象者のサンプリングおよびデータの収集は、とくにバイアスを生じやすい実践プロセスです。事前のバイアス対策の計画とともに、実際の調査現場でのモニタリングが大事です。実践を阻む障害に迅速に対応する必要があります。また、交絡因子の調整はデータ解析の段階で可能ですが、どの因子を調整するか研究実施前に検討されていることが望まれます。横断研究は1時点のみのデータ収集で分析できる研究デザインです(質問票調査が好例)。一方、コホート研究では登録時調査と追跡調査の2時点以上のデータ収集を行います(例.中学時代のいじめ体験と高校でのうつ症状の関連)。コホート研究は、データ間の時間的前後関係によって因果推論を強固にする研究デザインであり、データの収集時期の厳密性が重要です。
 本講演がわずかでも臨床研究の実践力を養う助けになりますと幸いです。
 
19日(日)
「インフルエンザの家族内感染に関する研究」 幸道直樹
 インフルエンザの家族内感染調査を行い、罹患者及び非罹患者において、何がその発症について影響しているかを検討した。
 【調査方法】家族内において最初にインフルエンザを発症した患児を発端者として、患児と同居する家族を調査の対象とした。
 【結果】
 1:発端者について.協力は50家族から得られた。発端者の年齢は1才7ヶ月から13才4ヶ月まで、男子26人、 女子24人.患児は全てインフルA型(H3N2)であった。2013-2014の2年間のワクチン歴はあり15人、なし34人、不明1人。2013年のインフルエンザ罹患歴はあり12人、なし37人、不明1人
 2:同居家族について.50家族において両親、祖父母、兄弟を含めて170人の同居家族が存在したが、回答不備で罹患が確かめられなかった9人を除いて161人を検討対象とした。
 両親、祖父母など成人は102人、兄弟が59人であった。
 3:感染率などの統計学的検討
 個人としての罹患者は34/161で21.1%,今年のワクチン歴ありの人(60人)で罹患者は16人、26.7%.ワクチン歴無しの人(100人)で罹患者は18人、18%。
 昨年の罹患歴ありの人は25人で、その中で今年罹患した人は6人24%.昨年の罹患歴なしは131人で、その中で今年罹患した人は26人19.8%.成人の罹患者は18/102で17.6%、 兄弟は16/59で27.1%.成人母親は48人で罹患者は11人、11/47で22.9%.成人父親は42人で罹患者は5人、5/42で11.9%【まとめ】まとめとして、今回の検討では、1:罹患者と非罹患者において今年度のワクチン履歴、昨年度のインフル履歴と家族内発症について差は認めなかった。2:両親で検討すると父親に比べて母親の罹患が倍以上であり、子どもが罹患した際に主に看護すると思われる母親に感染が高率であった。3:兄弟が罹患する率は、成人に比して約1.5倍高値であった。家族としては50家族中23家族で家庭内発症あり(46%).23家族の同居家族は83人(3.65人/家族)で、34人に発症(40.5%).発症していない27家族の同居家族は85人(3.15人/家族)【問題点】家族を調査対象としており、家族間格差について検討が成されていない。50家族中23家族において二次感染の発症を求めており、27家族においては認めていないので、この差についてどのように検討するかが求められている。
 
「ワクチンの接種方法や種類により痛みが異なるかどうかを比較、検討する」 牟田広実
 ワクチンの種類(ヒブ、四種混合、肺炎球菌)や接種部位(上腕への皮下接種と大腿への筋肉内接種)による痛みの違いを評価する目的で、現在プレリミナリーに接種後の啼泣時間を調査しており、その結果を披露した。limitationとして、現在は皮下接種か筋肉内接種かを施設ごとに決めているため、施設による差ではないことを否定出来ない点や、調査にあたっての同意取得法について意見を頂いた。
 
「水痘ワクチン2回接種の有効性の検討」 中村 豊
 2014年2月から2015年1月末までの1年間にわたり、水痘ワクチンの有効性を検討する目的で、多施設共同研究を実施した。研究の最終データがまとまったので、公表するとともに今後の研究についても検討をお願いした。
 ワクチンの有効性の研究は、85施設の参加を得て水痘患者(発端者)は2523人が登録をした。兄弟がいない等の除外項目より研究対象となったのは、1143人(家族)であった。発端者がワクチン未接種の同胞でかつ水痘の既往がないものは538人あり、緊急接種をしたもの(47人)予防内服をしたもの(5人)を除いた486人で有効性の検討を行った。予防接種を1回受けたもの125人中、発症をしたものは42人で予防接種を受けていなかった338人中発症をしたものは222人で1回接種の有効率は49%となった。近畿で行った先行研究での有効率45%とほぼ近似した値となった。2回接種したもの10人中発症者は6人であった。2回接種した物の数が少なく、評価は困難と結論付けた。2次感染を防ぐ因子を検索する目的で全患者対象として、多変量解析を行ったところ、有意となったものは 同胞がワクチンを2回接種(Odds比0.16)1回接種(0.37)発端者がワクチンを1回接種(0.50)であり、発端者の抗ウイルス薬内服は、同胞への感染に影響しなかった。
 2回接種に関して、ワクチン未接種者が今後いなくなると思われ、そうなると今回のような研究方法は取れなくなると考えられた、このような場合、case-control studyの手法が望ましいのではないかと考察した。
 
連絡先:〒833-0027 福岡県筑後市水田991-2杉村こどもクリニック 杉村 徹
FAX: 0942-52-6777 , E-mail: sugimura@kurume.ktarn.or.jp
2015.09.11
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