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■ 第63回調査研究方法検討かわら版■

去る2015年,11月7日(土),8日(日)アクロス福岡(福岡)にて,第63回調査研究方法検討会が開催されました.今回,三品浩基先生(京都大学大学院医学研究科医療疫学)による特別講演「診断検査に関する臨床研究の基礎知識: カッパ係数から臨床予測ルール(CPR)まで」が開催されました。検討会の報告要旨は,各演者の方へお願いしております.ご発表いただいた研究の概要とともに検討会で議論された内容も含めご報告いたします。

7日(土)

  • 「出生時体重が小児肥満の予測になりえるか」
    沼口俊介

    Barker仮説が現実となっている今、地域小児保健行政に影響のある小児肥満問題の前向きコホート研究を平成27年4月に発表されている「ヒトを対象とした臨床研究の倫理指」順守した計画案を練馬区の公立保育園、幼稚園、小学校生徒対象に練馬区医師会各委員会でとりまとめ計画した案を発表した。法律順守した案であるが練馬区の自治体条例の壁に阻まれ前進出来ない旨について様々なご意見頂いた。

  • 特別講演
    「診断検査に関する臨床研究の基礎知識: カッパ係数から臨床予測ルール(CPR)まで」
    京都大学大学院医学研究科医療疫学 三品浩基先生

    診断検査に関する研究は、現場の医療従事者に関心の高い分野と思います。本講演における検査という用語は、患者の健康状態に関して追加情報を得るための方法と定義し、診断精度を信頼性と妥当性の2つの観点に分けて評価方法を紹介しました。

    検査の信頼性を評価するときに全一致率を用いますが、関心のある疾病や健康事象の有病率(存在率)が低い場合は、偶然で期待される一致率を調整したκ(カッパ)係数を用いることが勧められます。

    検査の妥当性は感度、特異度、陽性予測値、陰性予測値を用いて評価する方法が一般的です。いずれの評価指標も100%に近いほど優れた診断検査と判断できます。臨床予測ルール(Clinical prediction rule)は、単一の検査の妥当性を評価するのではなく、複数の検査を組み合わせて診断モデルを作成し、妥当性を高めようとするツールです(リスクスコア式が多い)。

    検査を医療現場に応用する際は、診断精度の評価指標が対象者の属性によって変化することに注意が必要です。とくに陽性予測値は対象者集団の有病率に大きな影響を受け、有病率が低くなるほど陽性予測値も低くなります(偽陽性者が増える)。また、検査費用などの経済的コストや、検査で生じる病気の不安や生活への影響など非経済的コストも検査の有用性に関わる重要な研究領域です。

8日(日)

  • 「日本外来小児科学会会員のロタウイルスワクチン接種法に関する調査」
    牟田広実

    ロタウイルスワクチンは、以前使用されていた生ポリオワクチンと比べると接種量が多いことや低年齢を対象としているため、接種に時間がかかってしまう児 も少なくない。今後、定期接種化されると接種者は大幅に増加することが予想さ れるため、安全で 効率がよい接種法が望まれる。しかし、現時点でロタウイルスワクチンの接種方法に関する情報は少なく、接種医が試行錯誤しながら接種していると思われる。今回、会員の接種方法の調査を通して工夫を集積し、還元することで接種方法の改善に繋げたいと考え、表題の調査を企画し た。本検討 会では調査票の内容について、私案を元に検討していただいた。

    上記目的がはっきりするように、「接種時の工夫」「接種で困ったこと」を自由 記載として回答してもらうこと、 副反応としての腸重積症の接種前の説明や経 験について尋ねる項目を追加することを提案いただいた。

    今後、リサーチ委員会と倫理委員会の審査を経て、2015年 はじめにもWebアン ケートで実施したいと考えている。

  • 「東北地区冬季の完全母乳栄養児のVD欠乏状態についての疫学調査」
    冨本和彦

    最近の母乳育児の一般化に伴い、また、授乳期の若い女性の日光暴露忌避により乳児のビタミンD欠乏状態が増加している。母乳育児中の乳児への日光浴によってビタミンDの一定の補充は可能であるが、南北に長い日本では日照時間は地域と季節によって大きく異なり、冬季の北日本では日光浴によるビタミンD補充が期待できない。今回、北日本において秋季から春季にかけての母乳栄養児の血中ビタミンDを調査し、欠乏の状態と補充の必要性について検討する。研究会では森下仁丹からの研究費について外来小児科の研究基金を用いてより多地域での検討としたほうが良いとした意見が出されたが、今回は当院の位置する八戸地域の検討としてpreliminary studyとして位置づけることとした。

  • 「VD欠乏状態にある完全母乳栄養児における適切なVD補充の検討」
    冨本和彦

    海外のガイドラインでは出生時からのビタミンD 400IU/dayの補充を勧めている。一方、本邦においては@母親がビタミンDを含む食品を多く摂取し、日光を浴びる、A赤ちゃんも日光浴をする ことの重要性を指摘しており、積極的にビタミンDサプリメントの使用を推奨していない。海外では人種差や日光暴露による皮膚がんの誘発といった問題があり本邦と同等に論じることはできないが、冬季に日照時間の確保ができない北日本においては、はたして日光浴だけでビタミンD不足が解消しうるかどうかはわかっていない。

    今回、母乳育児サポートのために、母乳栄養児で4ヶ月健診時の検査でビタミンD欠乏状態と診断された児に対して、日光浴と母親に対する食事指導だけで充分なビタミンDが賄えるかどうかを検討する。この目的で日光浴+食事指導群とそれらに加えてビタミンD400IU/日を投与した群でビタミンD値を比較するRCTを行う。

    研究会ではビタミンD欠乏症では無論のこと、明らかなビタミンD欠乏状態にある児に対しても日光浴+食事指導だけとした群では倫理上の問題が生じることが指摘され、対象群を25OHDが<20ng/mlでビタミンD欠乏状態と判断された乳児に限定し、治療を要するビタミンD欠乏症は除外することとなった。

  • 「カゼ診療のEBM検討と今後の方向性について」
    ガイドライン検討会 中村 豊,伊藤純子

    ガイドライン検討会では新しい検討課題として、カゼ診療のEBMを取り上げることとした。「カゼ診療をどう行ったらよいか」ということは非常に大きな、かつ焦点を絞りにくいテーマである。「何がわかっていて何がわかっていないのか」をはっきりさせないと、話が進まないため、第一歩としてEBMとして採用できるものがどのくらいあるのかを探してみることとした。PICOは以下のように考えた。
    P: カゼ症状で受診した小児(特に乳幼児)に I: 投薬を行うと C: 行わない場合に比較して O: 症状が緩和されるか。

    検討会では、カゼに関するメタアナリシスを検索した結果、Cochrane Database 2014の咳に対する投薬の報告に使用されている文献を、検討会参加者で分担して文献の吟味を行うことになった。今後の調査研究方法検討会でも進捗状況を報告することにしている。

連絡先:〒833-0027 福岡県筑後市水田991-2杉村こどもクリニック 杉村 徹
FAX: 0942-52-6777 , E-mail: sugimura@kurume.ktarn.or.jp
2016.01.08
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