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調査研究方法検討会 かわら版

■ 第53回調査研究方法検討会かわら版 ■

 去る7月21日(土),22日(日):品川イーストワンタワー21F 会議室(2),東京にて第53回調査研究方法検討会が開催されました.場所の設定・準備,ガイドライン検討会等について伊藤純子氏,宮田章子氏,加地はるみ氏のお世話になりました.21日(土)に"拡大ガイドライン検討会"として,文献抄読会を行い,22日(日)に調査研究方法検討会として一般演題の検討会を行いました.ありがとうございました.検討会の報告要旨は,各演者の方へお願いしております.ご発表いただいた研究の概要とともに検討会で議論された内容も含めご報告いたします.

 22日(日)
「突発性発疹の高年齢化が進行している。今後の調査研究の方向性は?」 絹巻 宏
突発性発疹の発症年齢が高年齢化しているとの報告が散見される。日常診療の中で実感しているこの現象について、大阪府下の当院での患者データで確認するとともに、感染症発生動向調査事業のデータを調べ、47都道府県で近年一斉に進行していることを明らかにした。この調査結果を示して、参加者に今後の調査研究の方向性について意見を求めた。原因究明に関連して、HHV-6とHHV-7の血清疫学、感染経路、育児や栄養法や生活様式の変化、少子化などが話題となった。最後に、高年齢化に伴い臨床像が変化している可能性を指摘し、実地医家による調査が必要であると訴えた。

「 小児科外来を受診した感冒児の経過に影響する因子について 〜プレ調査のデータ〜」 西村龍夫
前回の検討会で出された点を修正し、プレ調査を行った。調査症例は4施設から22例あり、その結果を今回の検討会で示した。エンドポイントである3日後の経過判定をする場合、特に喘鳴の患者など、最初に症状がない場合の扱いをどうするか、アレルギー素因を記載すること、抗ヒスタミン剤の第一世代か第二世代かの記載、症例エントリーで発症後何日目までを対象にするかを明確にすることなどのアドバイスがあった。 この調査は9月に本調査を行い、再度経過を報告する予定である。

「遷延性発熱を伴う気道感染症小児の原因ウイルス同定」 原三千丸
38℃以上の発熱が5日以上続く気道感染症疑いの小児を対象とする。インフルエンザ患児は対象に含めない。全例鼻咽腔吸引液を検体として、原因呼吸器ウイルスを培養とリアルタイムPCR法により検出する。また、気道症状のない小児の鼻咽腔吸引液検体も、無症候性小児の感染率を調べるために採取検査する。リアルタイムPCRによる検出ウイルスは、ヒトメタニューモウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルス(1型〜3型)、エンテロウイルス、ライノウイルス、ヒトボカウイルスである。
以上の発表に対して、成績が出た後のデータ解析についての言及がされていないとの問題提起があった。
これらの成績解析法の記載を加えて、次回の調査研究方法検討会に再度提出することとなった。

「アデノウイルス感染症の迅速診断.咽頭拭い液と鼻咽腔吸引液の比較」 原三千丸
発熱を主訴に受診し、アデノウイルス気道感染症を疑われた小児を対象とする。保護者の同意を得うることを必須条件とする。
咽頭拭い液と鼻咽腔吸引液を同時に採取して、アデノウイルス迅速診断キットイムノエースアデノによる検査を行う。両検体でのキットの呈色反応を比較する。残りの鼻咽腔吸引液を用いて、ウイルス分離培養とアデノウイルス遺伝子検出のためのリアルタイムPCRを行う。
以上の発表に対して、データ解析に関しての記載漏れを指摘された。
これらの成績解析法の記載を加えて、次回の調査研究方法検討会に再度提出るすることとした。

「乳幼児期早期の「抱っこ」に関する研究 -身体に負担のない抱き方のパイロットスタディ-」 鈴木智惠子
  1. 緒言
    最近、臨床現場で抱っこがうまくできない母親や診察室にベビーカーのまま入ってくる母親が増えてきたと医療従事者からたびたび聞かれるようになった。また、抱っこに関する論文について検索しても抱き方についての科学的根拠をもった論文がほとんどない現状である。そこで、抱き方によって肩こりに影響が出ているのではないかという仮説のもとで本研究に取り組むこととした。

  2. 方法
    同意が得られた理学療法学科2年生学生男性19名、女性5名を対象に行った。 データ収集は対象者の僧帽筋の筋硬度を測定した。
    分析方法はSPSSver.15を使用し、統計解析はt検定を行った。

  3. パイロットスタディの結果、(1)抱っこの際の上腕の高さの違いによる筋肉への負担に差はなかった、(2)今回のパイロットスタディにより、対象者の背景の見直しや測定値をどのように定めるかについての課題が明らかになった、(3)今後、抱っこによる筋肉への負担が増強する因子が高さ以外にもあると予測できた。

  4. 検討結果
    1)授乳中に負担が生じていると考えられ、最近レイドバックという方法もあるため、現在行われている方法と比較検討してはどうか、
    2)対象者を看護学生1年生と経験の長い助産師をとして、抱っこの経験の有無による負担の違いを見てはどうか、
    3)抱っこの姿勢の筋肉への負担を考えるならば5分ほど抱っこした後の測定の方が母親たちの現状に即しているのではないか、
    4)男女ではなく性別を女性のみに絞った方が良いのでは、
    5)元々の筋肉の硬さも影響しているのではないか、との意見を頂いた。
    検討会を受け、今後、研究計画書を作成する予定である。

「RSウイルス調査のお願い」 齋藤玲子
RSウイルスは主に乳児に下気道感染を起こす呼吸器ウイルスである。新潟大学では、2001年より新潟市内の小児科医とRSウイルスの共同研究を行っている。RSウイルス迅速キットでスクリーニングし保護者の承諾後、鼻腔吸引液からRNAを抽出し、RSウイルスG蛋白をターゲットとしたRT-PCRにて検出を行った。11年間で828件のRSウイルスがPCRで検出された。流行期は9−2月でRS-A型、B型が交互に流行することが多いが、年によっては混合流行であった。また、新しいG蛋白の遺伝子型が出現した際に大流行(2005-2006年)が見られた。本邦ではパリビズマブがハイリスク児のRSウイルス感染の予防として使用されている。パリビズマブはRSウイルスF蛋白の中和抗体である。近年、F蛋白の1アミノ酸変異によるパリビズマブ抵抗性RSウイルスが諸外国で低頻度ながら報告されている。新潟大学では、日本各地の先生方にご協力を依頼して、2012-2013年に各地で流行するRSウイルスの遺伝子型(G蛋白)と、パリビズマブ抵抗性RSウイルス(F蛋白)の調査を行いたいと計画している。

「インフルエンザ薬剤効果・耐性調査」 齋藤玲子
インフルエンザは毎年、冬期に大流行するウイルス性急性上気道炎である。新潟大学では、10年近く日本各地の臨床医に依頼し、毎年日本で流行するインフルエンザの遺伝子型、抗インフルエンザ剤の臨床効果、薬剤耐性インフルエンザの出現について調査してきた。日本ではインフルエンザの治療にノイラミニダーゼ阻害剤が使用されている。従来のオセルタミビル、ザナミビルに加え、2010年にペラミビルとラニナミビルの2剤が保険適応となった。新潟大学では2012-2013年に、新規薬剤であるペラミビルとラニナミビルのそれぞれに対し1)従来薬と比較した解熱効果、2)治療後のウイルスの量の残存度、3)治療後の薬剤耐性インフルエンザの出現について、各地の先生方に調査をお願いしたいと考えている。特に2)は学校の出席停止基準の目安にもなり、臨床医にとって興味深い調査になると考えられる。

「小児科外来でDS(仮称)のご提案 - 任天堂DSを多施設共同調査用のアンケート端末に-」 平 憲二
「マックでDS」というサービスをご存じでしょうか。ハンバーガーチェーンのマクドナルドの店舗に、任天堂DS(携帯型ゲーム機)を持って出かけると、そこでしか受けることのできないゲームやコンテンツを楽しむことができるサービスのことです。このサービスでは任天堂DSをアンケート端末として利用することもできるため、多施設での共同アンケート調査にも応用することができます。
本検討会では、このサービスを、複数の施設の小児科外来に設置し、小児科外来ならではのオリジナルのコンテンツやアンケートを提供できるようするというアイデアを提案しました。本サービスの実現により、任天堂DSを多施設共同調査研究の自記式アンケート調査端末として利用できるようになります。父母へのアンケートだけでなく、小児(小学生低学年以上でしょうか)にも応用できるようになります。
なお、本サービスは、2010年10月から宮崎大学病院の7エリアにてサービス提供しており、複数エリアでのアンケート調査の実績もすでにあります。ただし、単施設での実施のみであるため、複数施設での多施設共同調査用のインフラとしての評価・検証については別途必要となります。また、任天堂社からの許可が必要であるため、実現に向けての企画は詳細に定めておく必要があります。
今回の検討会では、入力端末ツールとしては任天堂DSよりもスマホやiPadなどがよいのではないかとのご意見をいただきました。
今後は、多施設共同調査の実績を積み、ノウハウを積み重ね、本サービスのメリット・デメリットをより明確にしていきたいと考えています。


連絡先:〒833-0027 福岡県筑後市水田991-2杉村こどもクリニック 杉村 徹
FAX: 0942-52-6777 , E-mail: sugimura@kurume.ktarn.or.jp
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